・ユーロドルは続落。スペインのバレンシア州が先週末20日、中央政府に支援要請を行ったことをきっかけに同国内のその他地方政府も支援要請を行う可能性が出てきたため、財政懸念がいっそう高まった。スペインの10年債利回りがユーロ導入来最高水準まで上昇したほか、欧州株や時間外の米株価指数先物が大幅安となったため、一時1.2067ドルと2010年6月11日以来の安値まで下げた。
もっとも、ニューヨーク市場では買い戻しが優位で1.2145ドルまで戻す場面があった。一時230ドル超の下げ幅となったダウ工業株30種平均が徐々に下げ幅を縮小したことがユーロドルの支えとなった。また、ユーロ豪ドルやユーロNZドルの買い戻しが強まったこともユーロドル相場を押し上げた。欧州中央銀行(ECB)が5日の定例理事会で中銀預金金利をゼロ%に引き下げたことを背景に、このところユーロキャリー取引(借り入れたユーロを元手にしたリスク資産運用)が対オセアニア通貨で強まっていた。しかし、欧米株の下落を受けてリスクをとりづらくなった投資家がユーロ売り・オセアニア通貨買いポジションの整理を進めた。この対オセアニア通貨でのユーロ買いがユーロドルにも波及した形となった。市場参加者からは「ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いが入った」との指摘もあった。
しかし、引け間際に米格付け会社ムーディーズが、ドイツ、オランダ、ルクセンブルクの格付け見通しをネガティブに引き下げたと発表するとユーロ売りが出てやや値を消した。
・ドル円は4日続落。欧州市場の序盤に77.94円と6月1日以来の安値まで売られた影響が残った。
もっとも、安住淳財務相が23日、「(円相場について)過度な変動、行き過ぎた投機的動きには断固たる措置とる」と述べたほか、中尾武彦財務官も23日夜、「(円相場について)日本は必要に応じて断固たる措置とる」「いかなる措置も排除しない」「為替市場をより注視している」などと発言。日本の金融当局による円売り介入への警戒感が市場に広がったため、下落過程で円買い・ドル売りを進めてきた向きが利益確定の反対売買に動き下値が切り上がった。ニューヨーク市場では、米国株が底堅く推移したことや米金利の低下幅が縮まったことなどが買い戻しを後押しした。
・ユーロ円は4日続落。スペインの財政懸念を背景に欧州市場で94.23円と2000年11月28日以来の安値まで下げた余韻が残った。ただ、ユーロドルと同様に対オセアニア通貨でのユーロの買い戻しが円売り・ユーロ買いを促し下げ幅を縮小した。政府・日銀の円売り介入に対する警戒感が広がったことも買い戻しを促した。95.231円まで値を上げる場面も見られた。
(GI24から引用)
Wednesday, July 25, 2012
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